ある結婚式場からの依頼で、
今回は内容が面白そうだったので、紹介したいと思います。
式場での仕様
結婚式場では新郎新婦入場の合図を会場内と外で
やり取りをしないといけません。
音楽に合わせたり、照明を当てなければならないためです。
その合図の仕方として、インカムでやり取りしたり、
ランプを準備して、それを信号で光らせたりします。
上の図のように、
入場口に入場者の準備ができたことを入場口から
会場内の卓(照明の調整やマイクのボリュームを調整したりする台)へ信号を飛ばし、
入場口での準備が整ったことを確認します。
そして、卓側からは音楽などの準備ができた信号を飛ばして、
入場口の外にいるスタッフに知らせて式場に入場します。
つまり、今回作成したいものは双方向での信号のやり取りを可能にするシステムです。
これまでもこの方法での信号のやり取りをしていたらしいのですが、
基板が故障したとのことで、作成してほしいとの依頼がきました。
(最初に作った会社はつぶれているとのことです。)
結線図
スイッチが2つずつの場合
卓と入場口にランプON用スイッチと2つずつスイッチがあるなら、下図のようにリレーが一つで足ります。
(昔ながらの結線図の描き方で申し訳ない・・・
会社のじいさんたちに教わったので、私も同じ書き方してます。)
これはいわゆる自己保持回路と呼ばれるものです。
入場口か卓のSW(スイッチ)が押されると「M1」のリレーが動き、
スイッチは離されてもリレーは駆動し続けます。
そしてランプ(PL1、PL2)は点灯しつづけます。
スイッチが1つずつの場合
今回は入場口と卓に自照スイッチが一つずつなので、
普通のC接点リレーがひとつと言うわけにはいかないため、
大分悩みました。(ラチェットリレーがあれば、良かったのですが・・・)
今回は、下図のような回路構成で組んでみました。
ラチェット回路ってやつです
用意するもの
今回は上記の回路で本当に動作するのか確認するためなので、
ユニバーサル基板やACアダプタなどは使わずに、
下記の物を用意しました。
1.LED付スイッチ(モーメンタリ式:押している間だけスイッチが入り、手を離すと切れるもの)
2.制御用のリレー(24V駆動でC接点のもの)
3.DC24Vのスイッチング電源(現場に持っていくものはACアダプタにする予定)
4.電線
5.やる気
動作確認
これが完成したものです。
動かしてみます。
1回目スイッチを押している間の様子
1回目スイッチを押している間は、
M1とM2が動作し、スイッチが光っています。
スイッチを離した時の様子
スイッチから手を離すと、
M2とM3が動作し、スイッチが光っています。
2回目スイッチを押している間の様子
スイッチが光っているところからもう一度スイッチを押すと、
スイッチを押している間は、
M1とM3が動作し、スイッチは消灯しました。
2回目スイッチを離した時の様子
リレーは動作しておらず、
スイッチも光りません。
最後に
実際に式場に収めるのは、
これをユニバーサル基板にプリント基板用のリレーと
ACアダプタ用とスイッチ用のコネクタを実装し、
パッケージに入れたものにする予定です。
わざわざリレーなんて使わなくても、
マイコンで動かす方が楽なのですが、
今の現状がリレーで動かしているので、
今回はこんな感じにしました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。